「平和」という名の女の子

andu ametのエチオピアの工房で、門番兼職人見習いとして活躍してくれているタマスゲン、通称タマちゃんに子供が産まれたので、お祝いにいってきました。

元気いっぱいのかわいい女の子で、タマちゃんも本当にうれしそう!



「名付け親になってほしい」と言われ、色々と考えた結果、「Selam (サラム)ちゃん」と名づけました。
エチオピアの言葉で「平和」を意味する言葉です。



タマちゃんも妻もティグライ州というエリアの出身なのですが、実はこのエリアはつい先日まで戦火にありました。 日本ではあまり報道されていなかったようですが、多くの市民が亡くなり、病院や学校、その他の多くの建物が破壊され、子供たちまでが少年兵として駆り立てられるなど、言葉では尽くせぬほどの甚大な被害に見舞われていました。

誰もが待ち望んだ停戦合意の直後に産まれてきてくれたことへの祝福と、彼女の人生が、これからもずっと平和で満たされたものでありますようにという想いを込めて、その名前をつけることにしたのです。

実はタマちゃんも、妻や二人の両親も、これまで教育や就業の機会に恵まれていませんでした。
でも彼はきっとそんなそんな負の連鎖を断ち切り、andu ametでより高い技術を身につけ、高給取りになり、Selamちゃんに自分が受けたより高い教育を受けさせてあげることでしょう。

Selamちゃんの寝顔をみつめながらそんな未来を想像し、幸せな気持ちになったのでした。



さて、そんなタマちゃんですが、どうやって妻と知り合い結婚したんだと思いますか?

実は「ひろこ、さっき両親から電話があって、親同士で僕の結婚相手を決めたから来月結婚式しようっていわれたから、来月1ヶ月休むねー!どんな相手かって?僕もまだ名前も顔もしらない、もちろん会ったことなんてないよ」と突然言われたのが今から3年前。

びっくり仰天して、「え!?それって大丈夫なの!?」と何度も確認しましたが、「大丈夫大丈夫」とニコニコしながら田舎に戻り、1ヶ月後にだいぶ若い妻をつれ帰って、それから今に至るまでずーっとラブラブな様子です。

愛の形、幸せの形は、十人十色ですね💓

タマちゃんの前任で、今は立派な職人となったアイヤノくんの話はこちらからどうぞ。



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