エチオピアシープスキンの驚きの軽さと強さの秘密

Fall for Leather — again and again. 
もっと知りたい、レザーのこと。

この秋、andu ametが掲げるテーマは “Fall for Leather — again and again.”。
手にするたび、使い込むほどに、また好きになる。そんなレザーの奥深い魅力を、あらためてお伝えしていきます。

このテーマに合わせて、公式サイトの「エチオピアシープスキンについて」のページもリニューアルしました。エチオピアシープスキンがなぜ特別なのかを、「なめらかさ」「強さ」「軽さ」「使うほどに深まる美しさ」の4つの視点からご紹介しています。

前回のコラムでは、「触れた瞬間はっとするなめらかさの秘密」についてご紹介しました。今回は、「薄くても破れにくい、驚きの強さ」と、「持った瞬間に驚く、究極の軽さ」について—やわらかく繊細なのに、なぜこんなに強いのか。そして、なぜここまで軽くできるのかをご紹介します。


薄くても破れにくい、驚きの「強さ」

下の図は、一般的な革の断面構造を拡大したもの。これを見ると、細かな繊維が何層にも重なっているのがわかります。表面に近い「乳頭層」は細い繊維が中心なのに対し、その下にある「網状層」では、太いコラーゲン繊維の束が立体的に、そして密に絡み合っています。この網状層が、革の強さを支える重要な部分です。

エチオピア高原のシープスキンの大きな特徴に、この
強さを担う網状層が、薄い革の中にもしっかり残っていることがあげられます。ほかの産地の羊革では、薄くすると網状層が少なくなりやすいのに対し、エチオピア産は、薄くしても強さを支える繊維の骨格が残りやすい。つまり、表面が特別なだけでなく、革の中身そのものもまったく違うのです。

その背景には、エチオピア固有のヘアシープがもともと持つ性質に加え、乾燥した高地の環境に長く適応してきたことも関係していると考えられています
。

実際、0.4mmまで薄くした革を比較した研究では、エチオピア産は厚みの約40%を網状層が占めたのに対し、南アフリカ産では約32%、インドネシア産ではほぼ0%でした。その違いは強度にダイレクトに表れます。同じ0.4mmの革で比較すると、エチオピア産の引張強度は南アフリカ産の約2.2倍、インドネシア産の約2.5〜2.8倍という結果が出ています。

つまり、エチオピアシープスキンは、薄くしても、強さを支える繊維構造がしっかり残る革なのです。だからこそ、繊細な手触りややわらかさを保ちながら、高い強度も両立できる。
「薄く、やわらかく、しかも強い」。
一見相反するこの3つを、同時に叶えられることが、エチオピアシープスキンの大きな特長です。

なぜこんなに軽い?
「究極に軽く」できる革の秘密

革のバッグは魅力的だけど重いのが悩み、と考えている方は少なくないでしょう。

本革バッグの軽さを左右する大きな要素のひとつが、革の厚みです。革は薄くするほど軽くなりますが、薄くしすぎると強度が落ち、破れや伸び、型崩れにつながります。そのため一般的なレザーバッグでは、必要な厚みを残しながら、金具を減らしたり、サイズを小さくしたりして軽量化することになります。

前章で述べたとおりエチオピアシープスキンの強みは、薄くしても強さを保ちやすいこと。だから、バッグの容量やデザインを犠牲にせず、素材そのものを軽くできます。

どのくらい違うのか、厚さによる重量の変化を見てみましょう。たとえば0.7mmから0.4mmへ、わずか0.3mm薄くするだけで、1㎡あたりの重量は約160g、36%も減ります。この差が完成品の重量に大きく効いてきます。

薄くしても強さを支える繊維構造が残りやすいため、ほかの革では強度との両立が難しくなる薄さまで仕上げることができるのです。加工条件によっては、約0.35mmまで薄くしても強度を保ち続けられるという研究結果がでています。

まとめると、エチオピアシープスキンは、強度を下げたり、サイズを小さくしたりせずとも、「革そのもの」を薄く軽くできる素材。たっぷりと本革を使い、レザーバッグらしい存在感や容量を保ちながら、それでも驚くほど軽く仕上げることができるのです。

 

エチオピアシープスキンの魅力をもっと詳しく

リニューアルした公式サイトのレザーページでは、エチオピアシープスキンの「なめらかさ」「強さ」「軽さ」、そして「使うほど深まる美しさ」について、詳しくご紹介しています。