先日、エチオピアで「イリチャ(Irreecha)」というお祭りに参加してきました。
初めて耳にする方も多いかもしれませんが、イリチャとは、エチオピアのオロモの人々の伝統行事。暗くて寒い雨季が終わり新しい年(エチオピアの新年は9月)がはじまるにあたり、豊かな実りをもたらしてくれた自然に感謝をささげるお祭りです。いわばエチオピア版の感謝祭といったところでしょうか。

 
エチオピアは80以上の民族が共存する多民族国家ですが、中でもオロモはエチオピア最大の民族で、人口の3割近くを占めるといわれています。独自の言語や文化を持ちつつ、アムハラやアファール、ソマリといった周辺の民族とも深く関わってきました。長い歴史の中で民族間で対立が生じ、治安が不安定になることもあるのですが、イリチャでは、そうした境界を越えて人々が集まり、共に祝う姿がとても印象的でした。
特に、老若男女が鮮やかな民族衣装に身を包んで一同に集まる姿は圧巻!実は友人たちから事前に「オロモの人々への敬意を示すためにヒロコもオロモの装いで行くべきだ」と言われ、オロモ出身のスタッフから借りた民族衣装で出かけたのですが、皆大喜び。あちこちで「一緒に写真を撮って」と言われたり、インタビューを頼まれたりしました。

 
お祭りでは、人々は花や草を手にし、水辺に集まって祈りをささげます。特に象徴的なのが、水をすくって大地に注いだり、自分自身や隣の人にふりかけたりする所作。これは「雨をもたらした空」「命を育む大地」「その恵みを受けて生きる自分や仲間」すべてがつながっていることを表すもの。自然と人との調和や、共同体の絆を体現する大切な儀式なのだそうです。
祈りの後は、エチオピアらしくエンドレスな歌や踊り。その光景は幸福感に満ち溢れていて、自然の恵みへの感謝や、生きていることの喜びは国や民族を超えて共通なんだな、と心から実感したのでした。


さて、このお祭りで重要な役割を示すのが、黄色いデイジー(ひなぎく)。新年を迎えるこの季節に、国中の大地を黄色に染めあげることから、エチオピアでは幸せや希望を象徴する特別な花として広く親しまれています。
そして、その鮮やかな黄色の美しさや幸福な風景にインスピレーションを得て生まれたのが、「ユーフォリア(Euphoria)」というカラーのコレクション。自然とともに生きるエチオピアの人々の前向きなエネルギーを、少しでも感じていただけたら嬉しいです。





 
             
           
        

 
               
               
               
               
               
               
               
               
              