先日、お客様がBig Hugを持ってギャラリーへあそびに来てくださいました。
3年前に購入されてから、おでかけの度にわくわくしながらお使いになられているとのこと。
普段から大切にお手入れなさっている様子がひとめで伝わってくるような、つやつやとした革の光沢と、使い込むうちご自身に柔らかく馴染んだフォルム。
陳列された真新しい製品とは異なる、持ち主とともに時を重ねてこそ滲むその風合いを、ことさらに美しく感じました。
ブランドネーム”andu amet”は、エチオピアの公用言語で”一年(ひととせ)”を意味する言葉に由来しています。
そこには、私たちの製品をお使いいただく方の大切な日々に寄り添い、ともに時を重ねていくブランドでありたいという想いが込められているのです。
新品のパリッとした状態がもっとも美しい。
そうした考え方が、世間ではより一般的であるように思われますが、必ずしもそうとは限らないと、私たちは思っています。
いつの間にか肩の形に添うように柔らかくなったハンドルも、徐々に変化していく色合いも、使っていくうちに付いてしまった汚れすらも、持ち主のかけがえのない年月に寄り添ってきた証であるからです。
時を重ねるとともに深みを増し、使い込むたびにより一層愛着を感じる、そんなパートナーのような存在であり続けたい。
ギャラリーを見て回るあいだ中、いとおしげにバッグに触れられていたお客さまの様子を目にし、あらためてそうした想いがこみ上げてきたのでした。