ドレスは私が、靴はこのイベントの共同企画者で靴デザイナーの星めぐみさんが担当し、木工職人の友人には木型を、SEの友人にはHPを作ってもらうなどすべて手作りで進めました。
モデルはモデル事務所からの紹介してもらったほか、ラジオに出演して一般の方からも公募し、オーディションで選んだのですが、モデルという仕事がまだほとんどなかった当時のエチオピア。
女性たちは皆、神様からの授かりものかと思うほどに美しい容姿を持っているものの、ドレスや靴を美しく魅せるという、モデルとしての技術を持っている人もその知識を持っている人はほぼ皆無。時間通りに来るとか、約束を守るといったことができる人もほとんどいなくて、演出には最後まで苦労をしました。
そんな中で、一人だけ特別な存在感を持ったモデルがいました。
彼女がステージに現れた瞬間、場の雰囲気がガラリと変わり、すべての観客が目を奪わました。言葉ではなく、人が放つ「オーラ」というものを初めて目の当たりにした瞬間でした。
今、資料を作るためにエチオピアについて調べものをしていたら、なんとそのヨルダノスが、あのファッションショーの直後にスカウトされ、eliteやstormという超一流モデルエージェントと契約をし、Giorgio Armani などのショーモデルを務めていたという記事を偶然発見しました。
あまりにも大出世すぎて本当にびっくり、でもとってもとってもうれしい。
思い返してみると、この時も本当に大変だったけど、やはり色んな人に助けていただいて、結局大成功を収めることができたのでした。この記事がこのタイミングで出てきたのは、今がどんなに大変でも、努力すれば最後にはあの時みたいにまたちゃんと上手くいくから、安心して前へ進めっていうメッセージだったりするのかも知れない。少々都合がいい解釈かもしれないけれど、そういうことにしておきます。