革なめし工場と、andu ametの環境基準

ここエチオピアでは長く続いた暗くて寒い雨期がやっと明け、太陽と新緑がまぶしい季節となりました。

昨年からオーダーをかけていた革がやっとできあがったと連絡があり、革なめし工場へ行ってきました。

andu ametでは、エチオピアの中でも最高ランクの革を厳選し、オリジナルのなめしで仕上げた特別なシープスキン(羊革)を使っているのですが、そのなめしに使用する薬品の入荷に時間がかかったとのこと。
かなり長い遅延ののちにやっと手に入れた革は、期待以上に素晴らしい出来上がりで、ほっと一安心したとともに、その落ち着いた光沢の美しさ、吸い付くような肌触り、軽さや柔らかさに改めて感動をしてしまいました。

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ところでエチオピアには革なめし工場がたくさんありますが、andu ametではごくごく限られた一部の工場ーとしか契約をしていません。
弊社が求めている高い品質とエシカル基準をクリアできる工場が非常に限られているためです。



andu ametが取引をしているタナリー。ドラムの中に皮と水と薬品をいれて何度も回してなめす。

革というのはもともと天然の素材ですが、なめす過程でたくさんの薬品と水を使います。これらの薬品や水がきちんと浄化をされない状態で河川へ排出されてしまうと、環境を破壊してしまいます。もちろんエチオピアでも法律ですべての工場に浄化システム(プライマリー)の完備が義務づけられており、どの工場やオフィスにもそれらの認証が飾ってあったりするのですが、実際にアポなしで訪問し、浄化システムを見せてもらおうとすると実は稼働していないということが多々あります。「今だけちょっと故障していて…明日は稼働する予定だよ」なんて苦しそうに言い訳をしてくれるのはまだ誠実な方で、最初から見学は絶対お断りという工場も珍しくありません。

バッグを作るandu ametの工房は自社のため私自身が直接管理をし、品質にもエシカル基準にも、常に目を光らせることができますが、素材の革自体は自分たちで作ることができず直接管理ができません。
だからこそ、提供される認証をただ鵜呑みにするのではなく、工場に直接訪れ、自分の目で問題がないことをきちんと確認できた工場とのみ取引をする、ということを重視しています。



Primary Water Treatment System

ちなみに、近年植物鞣し、タンニン鞣しのレザーを環境にやさしいレザーと謳って販売している企業を見かけます。
植物と聞くとなんとなく環境にやさしいような気がしてしまいますが、実は植物なめしの成分をそのまま河川に排出しても自然には分解できません。日本エコレザー基準(JES)はじめとする認証機関でも「植物なめしかどうか」は問題ではなく、「排水、廃棄物処理が適正に管理された工場で作られた革であるか」、「革そのものの化学物質が基準値であるか」、「食肉の副産物であるか」、「絶滅危機種の革ではないか」といった点がチェックポイントとなっています。
興味のある方はぜひこちらをチェックしてみてください。


エコレザー基準
http://ecoleather.jlia.or.jp/kijun/index.html