旅がお好きで、もともとエチオピアの文化や遺跡に深いご興味をお持ちだったこと、市役所にお勤めでジェンダーをご担当されていること、学生時代は国際協力や途上国開発を勉強されていたこと…などなど、事前のインタビューでヒアリングさせていただき、その方にぴったりのツアーをオーダーメイドで企画しました。
今回、私はandu ametさんのクラウドファンディングに申し込み、4/30~5/2までの4日間、エチオピアを訪問しました。帰国してから10日ほど経ちますが、エチオピアで見たものと日本での生活と、同じ地球の上のことなのかとうまくバランスが取れない自分がいます。人類とコーヒーの発祥地、エチオピア。アフリカの国々で珍しく欧米諸国に植民地化されておらず、独自の文化が残る国。エチオピアはアフリカでも屈指の世界遺産を誇ることでも知られる魅力あふれる国です。そんなエチオピアに、10年以上前から興味を持っていました。
私は海外旅行が好きで、今まで多くの国に行ったことがありますが、初アフリカ、初エチオピアということでドキドキでもありました。しかしそんな心配は杞憂で、とても楽しく、忘れられない4日間となりました。
学生時代から元々、国際協力や途上国の開発等に興味があり、鮫島さんにお願いして、「国際援助・国際協力、ビジネス、エチオピアの文化に触れる旅」をテーマに、完全フルオーダーの旅行プランを組んでいただきました。
4日間、まるまる鮫島さんのアテンドで(とても贅沢!)、andu ametの工房見学、ユニセフ、現地の市役所、女性や子どもの支援を行っているNGO、現地の観光スポット等を訪問・見学し、その多くの場所で職員の方々と交流の時間を持つことができました。
それらの交流の中で驚きや発見は沢山ありますが、その中でも特に印象に残っている2つが、andu ametの工房見学とエチオピアのある市役所です。
まず、andu ametの工房では、今、まさに生産中の商品づくりの様子を見学しました。革はなるべく素材の良さを活かして加工していることや、無駄のないように工夫してハギレを様々な形で使っていること、工房の道具はなるべく現地で手に入るものを使い持続可能な生産ができるようにしていること等を知りました。実際にこの目で経営者のこだわりや職人さんの努力を見ることで、ただ単に良さそうな気に入ったモノを買って終わるというだけでなく、「こだわりの買い物をした、更に大事に使おう」と愛着と感慨を持って商品を使えるようになるのではないかと思いました。
もう一つ印象に残っているのは、市役所を訪れた際に知ったその取り組みです。市役所の管理職の半分が女性であること、女性の職員が産育休を取った際は籍を置きながら、給与が100%保障されること、目の見えない職員が音声をもとにメールを返信するシステムが整っていること等、様々な人が働きやすい環境を整えている様子を見ることができました。
日本はどうですかとの質問があったので、「日本の会社では女性の職員が妊娠すると、約半数の女性が仕事を辞めます」と私が言うと時が止まり、その場にいた皆がア然。エチオピアの皆さんのその表情を忘れることができません。日本では働き方改革が話題になっていますが、エチオピアでは基本、残業はないそうです。去年新しく就任した首相が様々な改革を主導する中で、取り組みが広がっている様子を見ることができました。
私の感じたエチオピアの方々はとても親切で、少しシャイ。歴史的にも文化的にも、宗教が人々の生活に密接に根付いており、人々が祈りを捧げる姿を度々目にしました。
エチオピアの人々の優しさ、穏やかさ、そしてたくましさは私のエチオピアの旅を素晴らしいものにしてくれたと思います。
旅を終えた今、日本に帰国し、色々なことを感じます。道路が舗装されていたり、Wi-Fiが不自由なく使えたりと何気ないありふれた日常の便利さに、まず改めて感謝の気持ちを持つことができました。
しかし、その一方で、停電や断水、インフラの未整備等、多くの生活の不便さがある中にあっても、明るくひたむきに生きているエチオピアの人々の姿を目の当たりにし、不便さをそれほど気にせず不幸だと感じなければ、エチオピアは日本より暮らしやすいのではないかとも感じました。今回の旅はたった数日だけでしたが、それらを感じることができた充実した旅でした。この旅を経験することで、私の人生が深まったように思います。
今回のツアーでお世話になった全ての皆さんと、このツアーを企画しアテンドしてくださった鮫島さんに心から感謝しています。本当にありがとうございました。