在エチ仏人デザイナー

昨日部屋で仕事していたら
ヒルットがリビングから「ヒロコ見てみて!」と声をかけてくるので行ってみると、
テレビで在エチ40年のフランス人デザイナーの特集番組をしていました。

彼は現在のボレ空港をはじめ
国内の多くのホテルやレストランなどのインテリアやプロダクトのデザインを手がけ、
エチオピアの建築・デザイン業界ではよく知られている人物です。



彼の作品について、私も多少は知っているつもりでしたが
こうして一挙にみると、今のエチオピア市場にある本当にたくさんのものが
彼のデザインであったこと、そのいずれもが今でも色あせていない事に改めて驚きます。
ラリベラ教会をモチーフにした柱やテーブルやイス、現地のお料理やさんで出てくる食器類、
私も持っているホロホロ鶏の形をした陶器の置物…etc.
食器類は、10年前に私が住んでいたときからよく見かけたもので、
実はこの番組を見るまでずっとエチオピアの伝統的なデザインだと思っていました。
(隣のヒルットに聞いたら、「私もー!」とびっくりしてました)



インタビューの中で難しかったことは?と聞かれ
「いやそりゃ全部だよ。誰もしめきり守らないしさ…」と笑って答える彼に
思わず「そうそう、それしか言えないよね!」とブラウン管に話しかけてしまいました。
私もよく同じようなことを聞かれるのですが、いつもこの質問だけはちゃんと答えられません。
色々ありすぎるて一言では説明できないのです。

今でこそ(これでも)だいぶビジネスも進めやすくなってきているエチオピアですが、
10年前に住んでいたころは今より物も全然なくて、全ての物が混沌としていて、なにもかもが大変でした。
それよりさかのぼること30年も前にこれだけのものを作ったって、私からするともう土からアダムとイヴを作るくらいの偉業に思えます。
 私も文句ばかりいってないでがんばらなきゃ、と勇気をもらいました。



他にもエチオピアには世銀やUNIDOやGTZからたくさんのデザインのエキスパートが来ていて、
エキサイティングなプロジェクトを展開しています。
産業の発展にとってデザインは切っても切り離せないほど重要なものだけれど
日本のODAはこの辺が弱いのが悔しいところです。