阪急うめだ本店での、数年ぶりの出会い

ちょっと前の話になりますが、大阪の阪急うめだ本店にて催事を行いました。
関西エリアではじめての催事ということもあり、多くの方にご来店いただきました。

今日は、その中で印象的だったお客様、Mさんのお話。

彼女と初めて知り合ったのは、私がまだブランドを立ち上げる前、日本とエチオピアを往復しながら、事業計画書を作ったり、試作を作ったりしていたころ。

いろいろと相談にのっていただいていたある組織で、インターンをしていたのですが、当時はまだ学生だったこともあり「社会人になって、ちゃんと稼いで、いつか自分のお金で鮫島さんのバッグを買うのが夢なんです!」と、よく言ってくれていました。

「誰か買ってくれる人いないかなあ」という女の子もたくさんいる中で、しっかりしているなあ、などとと思っていたのですが、その後、私は1年のほとんどをエチオピアで過ごすようになり、彼女も大阪へ引っ越して、しばらく会わないまま、月日が流れていました。

そんな彼女が「長年の夢を叶えにきましたー!」とひょっこりとお店に現れて、ずっと欲しかったというBaby HugのBloomを選んでくれたのです。

「あのときは、まだ大学生だったのに、大学も大学院も卒業して、社会人になって、ついに、andu ametのバッグを自分のお金で買えるようになったのね…!なんだか感慨深い。」

「andu ametも、あのときはまだブランド名も決まってなくて、”エチオピアレザー”って仮のプロジェクト名で呼んでましたよ。製品も完成していなくて、これからっていうタイミングだったのに、今は阪急うめだのこんなに立派なスペースでイベントをできるようになったんて、時の重みを感じますね」

「エチオピアレザープロジェクトって響き、懐かしい。そうか、起業してからというもの、行ったりきたりで、思うように前に進めないと思っていたけど、あの頃に比べるとずいぶん成長しているね(笑)」

お互いのこの数年の話で、店頭ですっかりと盛り上がってしまいました。

andu ametというブランド名は、アムハラ語で「一年(ひととせ)」を意味します。
人生において、笑ったり泣いたりしながら積み重ねたひととせひととせこそ、なによりも尊く大切なもの。そんな大切なときを共に重ねるパートナーのような製品を作っていきたい、という思いをこめて、名付けました。

彼女の手に渡るこのバッグも、彼女の幸せなときには、その笑顔を増幅させて、悲しいときにはふわふわ優しく癒して、パートナーとしての使命を果たしてくれますように。これからのひととせひととせを彼女に寄り添って、ともに時を重ねていってくれますように。それにしても、これからの数年はどんなことがおこるのかしら。

以前のように柔らかく可愛らしい、でもどこか大人っぽくなった彼女の笑顔を見つめながら、そんな風に思ったのでした。