スイートホーム

先日、職人同士が婚約をしました。andu ametでは2組目の職場結婚です。
エチオピアでもコロナの感染は拡大し、しばらく結婚式もあげられないという状況でしたが、お祝いを兼ねてスタッフたちと二人の新居に遊びにいきました。

実は夫のアイヤノ君は、もと工房付きの門番。
5年前に私たちがこの場所に引っ越してくる前から、敷地内の隅にある小さな門番小屋に住みこんでいました。でも同世代の職人たちがバリバリ働く様子を見て「僕も職人になりたい!」と言い出したので、門番の仕事も手を抜かないことを条件に、先輩職人に指導をしてもらうことに。
 
彼はそれまで学校へ行ったことも、会社勤めの経験もなく、エチオピア語の読み書きや計算もできないところからのスタート。試行錯誤しながら少しずつ仕事を覚え、社会性も身につけ、今では一人でバッグを作れるようになりました。(過去ブログ「MUYA」

…と言葉で言ってしまうととても簡単に聞こえるかもしれません。でもその道のりは本当に色々とありました。本人も血のにじむような努力をしていましたし、私自身も何度も頭を抱えることがあり、経営者としてもひとりの人間としても彼のおかげで私も成長できたと思っています。この話は長くなるのでまた別の機会に。

 

(NHK WORLDより)


そんなこんなである時、そろそろ頃合いかなと、ボーナスと一緒に

「門番はもう卒業していいよ。今までありがとう。ここを出て、自分で部屋をかりなさい。
これからは門番兼職人じゃなくて、プロの職人としてがんばって」
と伝えてみました。
ちょうどその頃つきあいはじめたアシスタントのハレグちゃんと工房の直ぐ近くに部屋をかりて、二人で一緒に住みはじめたようです。

新居には、立派なテレビとベッドとソファー。
「テレビはハレグが持ってきたけど、それ以外の家具は全部僕が買ったんだよ、ボーナスで」と誇らしそう。

数着の衣類と毛布1枚、それにお鍋とお皿ひとつずつが全財産だった5年前と比べて、まるで別人のような頼もしさで、まるで我が子の成長を見る母親のように胸が熱くなりました。
 
     

両親を幼い頃になくしているところ、生きるために田舎からアディスに一人で出てきたところ、人一倍がんばりやさんなところ、優しいところ…共通点が色々ある二人。
これからはお互いに助け合って、今まで以上にがんばってくれることでしょう二人がどんなに幸せな家庭を築くのか、どんなに立派な職人に育っていくのか、今からとても楽しみです。

 

 

近々、お互いの第一印象やどうやって付き合い始めたのか、どんな家庭を築きたいか…といったインタビューを公開予定ですので、こちらもどうぞお楽しみに!
 
職場結婚1組目、トフィックくん&フレちゃんのお話はこちらからどうぞ❣️